UR都市機構が開催する夏休みの子どもの居場所『DANCHIつながる―む~夏休みは団地で楽しもう!~』でのキャリアワークショップ

担当者:森崎 晃田中 瑞希

2024年夏、UR都市機構は大阪、兵庫、京都、奈良の団地内の集会場で「DANCHIつながるーむ~夏休みは団地で楽しもう!~」を開催しました。この取り組みは、夏休みの子どもたちの居場所を提供し、保護者の負担を軽減することを目的とし、地域の子どもたちが安心して過ごせる場所で、学びや遊びを通じて豊かな体験を提供するものです。昨年も大きな成功を収め、今年は13会場に拡大したこの取り組みに、Ed-tech総研も参画しました。実施したキャリアワークショップの様子をお伝えします。

団地の集会場の活用で夏休みの子どもの居場所を

「DANCHIつながるーむ~夏休みは団地で楽しもう!~」概要

「DANCHIつながるーむ~夏休みは団地で楽しもう!~」は、子どもたちが自習や工作教室、サイエンスショーなど多彩なアクティビティに参加できるプログラムです。団地の集会所の一室を自習室として朝から夕方まで開放し、期間中には3~5種類の講座やワークショップを日替わりで開催、子どもたちに新しい学びや体験を提供しました。

キャリアワークショップ参画のねらい

Ed-tech総研では子どもたちの学びやキャリア形成を支援するための実践と研究を行っています。今回、UR都市機構、また不動産・住宅に関する総合情報サイトを運営するSUUMOとも協働し、キャリアワークショップを通じて子どもたちの将来の可能性を広げるねらいで参画をしたものです。

開催日時と場所

・8月5日(月)新千里北町団地
・8月7日(水)中百舌鳥公園団地

特に、Ed-tech総研が目指すのは、子どもたちが自分の「好き」を見つけ、それを将来の職業選択に結びつけるサポートをすることです。現代社会では多様な職業が存在しますが、子どもたちがその多様性に触れる機会は限られがちであるのが実態です。今回のワークショップでは、子どもたちが自分の興味や関心を探求し、具体的な職業に結びつける体験を提供しました。

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将来の可能性を広げるためのワークショップ

キャリアワークショップの概要

「なんで勉強するのかわからない! 好き×勉強でやりたい仕事を見つけよう!」というキャッチフレーズのもと開催をしました。このワークショップは、子どもたちが自分の「好き」を見つけ、それを将来の職業に結びつけるための手助けをすることを目的としています。

ワークショッププログラム

1. 自己紹介


担当講師が子どもの頃に好きだったことや当時描いていた将来の夢、そのために頑張っていたことを交えながら自己紹介、子どもたちにとって親近感がわくような仕掛けでスタートしました。

2. アイスブレイク


次にウォームアップとして手を動かしながらのクイズです。子どもたちは好きなこと、ものをワークシートに記入し発表していきます。それから、世の中にどれだけ多くの職業が存在するかをクイズ形式で学びました。子どもたち自身が既に知っている職業だけでなく、まだ見聞きしたことのない職業についても興味を持つように、という仕掛けです。
アイスブレイクで盛り上がった後には、子どもたちに、「勉強は好きか、嫌いか?」も問いかけます。

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3. 職業探検


いよいよ、このワークショップのメインコンテンツである「職業探検」です。子どもたちは「職業探検家」になりきり、タブレットも使いながら未知の職業について学んでいきます。ここで使用したウェブツールである「未来事典」には、様々な職業に就く大人たちが、仕事の内容や学生時代に考えていたことを語る2分前後の動画が多数収録されています。子どもたちはこれを通じて、自分の「好き」を活かせる職業を見つける体験をしました。

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大人たちに促されるまでなく、子どもたちはタブレットを使いこなし、気になる職業について調べを進めていきます。見つけた職業の数に応じてポイントを獲得することができ、ある種ゲーム感覚で、高ポイントを目指し競うように発見と視聴を積み重ねます。

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職業を知ると、次に、それぞれの職業に役立つ勉強が何かを考え、書き出します。友達同士で話し合ったり、タブレットを用い調べたり、あるいは自分の経験から想像したり、そのアプローチは一人ひとり異なります。現在の勉強が将来の仕事にどう結びつくのか、考えるきっかけを得ることができたかもしれません。

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4. 表彰式


最後に、「職業探検家」として逞しく冒険を乗り切った子どもたち一人ひとりに、表彰状の贈呈です。

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当日参加した子どもたちの反応

イベント当日、参加した子どもたちがとても積極的に活動に取り組んでいたのが印象的です。自己紹介やアイスブレイクの段階から、多くの子どもたちが楽しそうに参加し、自分の知っている職業や好きなことについての発表も活発でした。講師自身の経験も交えて話したことで、子どもたちは親近感を抱き、自分の将来について考えるきっかけを得ることができたのかもしれません。

タブレットも用い実施した「職業探検」では、子どもたちは笑顔で、しかしときに真剣な表情で動画を視聴していました。興味を持った職業について積極的に質問するシーンもみられ、初めて見聞きする職業に興味津々の様子でした。

特に印象的だったのは、役立つ勉強を見つけるセッションです。子どもたちは自分が興味を持った職業に必要な勉強について真剣に考え、それを紙に書き出しました。子どもたちからは、「英語をもっと頑張ろうと思った!」「数学の勉強が嫌いだけど将来役立つんだね!」といった前向きなコメントも。日常の勉強が、将来の夢にどう結びつくのかを具体的にイメージするきっかけになったようでした。

まとめ

今回の「DANCHIつながるーむ~夏休みは団地で楽しもう!~」におけるキャリアワークショップ「なんで勉強するのかわからない!好き×勉強でやりたい仕事を見つけよう!」は、子どもたちにとって普段の学びとは少し毛色の違った学びだったかもしれません。自分の「好き」を見つけ、それを将来の職業に結びつけて考える――今回のアプローチは、子どもたちの積極的な参加と、新しい発見に対する興奮とに支えられ成立しました。

今後も、Ed-tech総研では、このような取り組みを通じて、子どもたちのキャリア形成を支援し、未来への可能性を広げていくことを目指していきます。今回のイベントが、子どもたちの将来に少しでも役立つことを願っています。

DANCHIつながるーむ~夏休みは団地で楽しもう!~

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