※この記事は2020年4月13日に公開されました。該当のプレスリリースはこちら
※株式会社リクルートにて掲出したプレスリリースのうち、Ed-tech総研の関係者が携わった調査・レポートを転載しています。
株式会社リクルート(当時:株式会社リクルートマーケティングパートナーズ、本社:東京都品川区、代表取締役社長:柏村 美生)が提供するオンライン学習サービス『スタディサプリ』は、2017年5月より、佐賀県武雄市と『中学生の基礎学力・学習意欲の向上』に関する取組を行ってまいりました。その結果をお知らせします。
武雄市内の3中学校で『スタディサプリ』活用により基礎学力が向上、学力層全体の底上げに貢献
佐賀県武雄市は、市内すべての小学校・中学校の児童・生徒に、1人1台の専用タブレットを整備し、子どもたちが学べる環境を提供しています。同市とリクルートマーケティングパートナーズは、2017年5月より業務連携を開始し、2019年度は市内の中学校3校において、『スタディサプリ』を活用し、生徒それぞれの苦手分野に対応した課題に取り組み、基礎学力の向上をはかってまいりました。今回、2019年12月にその効果検証を行ったところ、基礎学力の向上と学力層の底上げがみられました(図①)。
2020年度は、2019年度の学習データ分析に基づき、取組を進化させていくことを目指します。
図① 基礎学力の向上を示すグラフ
- 学年別平均点推移:『スタディサプリ到達度テスト(数学)』の春と秋の実施結果の推移
- A~D層:『スタディサプリ到達度テスト』の結果について、最大値と最小値の差を4つのグループに均等割りして、上からABCDとつけた
また、『スタディサプリ』で取得できる生徒の学習データから、学力が向上した生徒(※1)の学習傾向を分析しました(図②)。その結果、どの学力層も約30%の生徒が間違えた問題を復習していること、そして学力層別にみた場合では、学力層・学習の定着状況によって、必要な学習は異なると考えられることがわかりました。
この結果を基に、2020年度の生徒向け取組施策について、学習内容に加えて学習行動の最適化と、間違った問題を主体的に振り返る働きかけができるように、生徒の学習取組方法を更新しました。『スタディサプリ』では、データに基づく指導方法・内容の改善が可能です。
※1:2019年に行った春と秋の2回の到達度テストにおいて、春から秋に1点でも総合点数が上がった生徒
図② 学力共通・学力層別の傾向
- 図①のABCD層のうち、2019年に行った春と秋の2回の到達度テストにおいて、総合点数が1点以上上がった生徒に対して分析を行っています。
実施概要
【目的】中学生の学力・学習意欲の向上
【時期】2019年4月~2020年3月 ※効果検証:2019年12月実施
【対象】中学1年生から3年生までの生徒468名 武雄市内3中学校
(山内中学校、川登中学校、北方中学校)
【活用】学び直し教材として朝学習や放課後学習での利用/授業内・長期休暇講習用教材としての部分的活用
『スタディサプリ』は、全学年分の講義動画、各教科のドリルを利用可能で、苦手分野や理解の足りていない単元などは学年をさかのぼってわかるまで学習でき、得意な教科は先取り学習をすることができます。また、先生向けには、宿題配信や進捗管理機能・生徒の学習履歴把握機能等があります。実力派講師による講義動画約4万本が月額1,980円(税抜)で見放題のオンライン学習サービスで、現在は有料会員84万人が利用しています。
武雄市立北方中学校 德永貞康校長先生コメント
現在本校では、生徒が主体的に自分たちで学びを深めていく授業を目指して授業改善を行っており、生徒自らが自分の課題について気づき、改善を図る手立てが重要になっています。『スタディサプリ』はその手立ての一つとして機能しています。
生徒は朝の時間や放課後の時間などの隙間時間を使って、自分の課題に自分なりのアプローチを試みており、直接画面に表示された問題を解くことにより正答率が改善するという事象だけでなく、自分の課題を自ら発見し、解決していこうとする意欲の高まりにつながっています。